税金の計算方法、理解している?
暗号資産(仮想通貨)投資が人気を集める中、副収入として大きな利益を得る人も増えてきました。
しかし、暗号資産で得た利益には税金がかかるため、適切な計算と申告が必要です。
本記事では、年収500万円のサラリーマンが暗号資産で300万円の利益を得た場合の税金について、具体的な計算を交えて解説します。
1. 暗号資産の利益は「雑所得」
暗号資産の取引で得た利益は、「雑所得」に分類され、総合課税の対象となります。給与所得とは別に課税され、所得税と住民税がかかります。
税率は累進課税(5%~45%)が適用されるため、所得が増えるほど税負担も大きくなります。
2. 年収500万円のサラリーマンの課税所得の計算
2-1. 年収500万円の給与所得控除後の課税所得
サラリーマンの給与所得は、給与所得控除を引いた額が課税対象になります。2024年の給与所得控除の計算式は以下のとおりです。
- 給与所得控除の計算式(年収500万円の場合)
- 500万円 × 20% + 44万円 = 144万円
- 給与所得 = 500万円 – 144万円 = 356万円
2-2. 給与所得に対する課税所得の算出
課税所得は、給与所得から基礎控除や各種控除を差し引いた額となります。
- 基礎控除:48万円
- 社会保険料控除(概算):70万円
- 課税所得(給与分)
- 356万円 – 48万円 – 70万円 = 238万円
この238万円が給与所得分の課税所得となります。
3. 暗号資産の利益300万円が加わった場合の税金
3-1. 総所得の計算
暗号資産の利益は雑所得に分類されるため、給与所得に合算して課税所得を計算します。
- 給与所得の課税所得:238万円
- 暗号資産の利益:300万円
- 合計の課税所得:238万円 + 300万円 = 538万円
3-2. 所得税の計算
所得税は累進課税方式で、税率は以下のようになります。
課税所得額(円) | 税率 | 控除額(円) |
---|---|---|
1,000円 ~ 1,949,000円 | 5% | 0 |
1,950,000円 ~ 3,299,000円 | 10% | 97,500 |
3,300,000円 ~ 6,949,000円 | 20% | 427,500 |
6,950,000円 ~ 8,999,000円 | 23% | 636,000 |
- 課税所得538万円に対する所得税
- (5,380,000 × 20%) – 427,500 = 649,500円
3-3. 住民税の計算
住民税は一律 10% のため、
- 538万円 × 10% = 538,000円
4. 最終的な税額と手取り
- 所得税:649,500円
- 住民税:538,000円
- 合計納税額:1,187,500円
暗号資産の利益300万円に対する税負担は 約119万円 となり、実際の手取りは 181万円 になります。
5. 税金を抑える対策
5-1. 経費を計上する
暗号資産取引にかかった費用(取引手数料、情報収集のための書籍代、セミナー参加費など)は経費として計上できます。
5-2. ふるさと納税を活用する
ふるさと納税を利用すると、住民税を軽減できるため、節税対策として有効です。
5-3. 損益通算を活用する
暗号資産取引で損失が発生した場合、他の暗号資産の利益と相殺することで課税所得を減らせます。
5-4. 長期保有戦略
頻繁に売買すると、その都度利益が発生し、税負担が大きくなります。長期保有することで、税金を繰り延べることができます。
まとめ
✅ 暗号資産の利益は雑所得として課税される
✅ 給与所得と合算すると税率が高くなる可能性がある
✅ 300万円の利益に対する税金は約119万円(約40%)
✅ ふるさと納税や経費計上で節税可能
✅ 損益通算や長期保有を活用すると税負担を軽減できる
暗号資産で利益を得る際は、税金をしっかりと計算し、適切な対策を取ることが大切です。
節税を意識しながら、賢く資産形成を進めましょう!